2017年9月25日月曜日

見える化の違い

前回、勘の見える化は
いわゆるタスクボードなどの見える化とは異なる気がしています。

タスクボードの見える化は、
次の行動を誘発する為が主な目的かと思います。
現在の状態を誰もが同じ認識となるように見える化する事で、
各自が次にすべき行動が何かを考え、行動する。

一方、勘の見える化は、行動の誘発というよりは、
ベテランの視点を掴む為のヒントというか、
ベテランの考えを知る1つのキッカケいう感じでしょうか。

伝統工芸などの職人だと技術が結果として見えるものとなります。
見えるので、自分との違いも明確になります。

しかし、ソフトウェア開発では、技術の結果が見えない(もしくは見難い)
ので、自分と何が違うのかが分かりません。
伝統工芸のように技術を見て盗む事も出来ません。

ソフトウェア開発において、同じような環境を作るのは難しいですが、
せめて、ヒントを与える事で、違いを考えるキッカケとする事は出来そうです。

日常的にいつでも技術を見える状態にする一つの案として、
常に予想される結果や成果を
具体的な数値としてホワイトボードなどに書き出してみる。

書き出すと議論も起こり易く、
チームの認識も、より具体的に合うようになります。
更には、若手技術者は、何を見て、何を考えて、
そのような数値を出しているのかを考えるキッカケとなる。
普段から意識して話を聞くようになる。
などの効果が予想されます。

抽象的な課題などは、違いが見え難いので、数値とする事がポイントとなります。
数値とする事に抵抗を感じる人も多いですが、これも一工夫かと思います。

例えば、
「このバグに関連するバグがまだありそうだ」
と感じた場合には、
「関連するバグが、あと3件はありそうだ」

とか

「まだ何件か、変更依頼がきそうだね」
と感じた場合には、
「あと2件は、変更依頼がきそうだね」

などと、まさしく勘を数値化してみます。

このようにちょっとした事を数値化する事を習慣にします。
そして、この数値の根拠は無さそうであるのがベテランです。
結果的に数値が異なるとしても、無さそうである根拠を伝えるキッカケにはなる筈です。
結果の数値が異なるよりも、伝えるキッカケの方が重要だと思っています。

確かに、説明するのは難しいケースもあるのですが、
そこは、それを面倒と思わずに、説明する努力も必要かと思います。

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