2018年5月17日木曜日

3ヶ月後の状態を決める

A3(QCストーリー)を作成するのに、
3ヶ月で区切るのがいい
と紹介しました。

3ヶ月で区切る為には、3ヶ月後の目標を設定する必要があります。
その為、まず最初に実施する事が、
「3ヶ月後の目指す状態を決める」となります。

決める上でのポイントを3つ紹介します。

1)明らかなギャップを作る
 今は確実に無い状態、明らかに今より良い状態
 を設定します。
 今と変わらない状態を設定しても意味が無いので、
 明らかに今とは違う状態で、かつ、良い状態を設定します。

 しかも3ヶ月後です。

 この3ヶ月後が夢物語とならないリミッターとなります。
 3ヶ月後の状態となると、かなり現実的になります。

 目指したい事(希望)はあるが、現実的にどこを目指すか
 とか、
 変えたい事はあるけど、現実的にどこを目指すか
 といった現実的な悩みとなります。

2)曖昧でも状態でなくても決定とする
 最初からバチっと決まらないので、
 少し曖昧な設定で終わらせます。

 曖昧どころか状態ではなく手段が設定される事もありますが、
 最初から具体的な状態には出来ないです。
 また、具体的にすると時間もかかるので、
 曖昧でも何でも、なんとなくチームでの意識統一が出来たら終わらせます。
 そして、その後、「ふりかえり」ながら具体化します。

 いちおう、最後には「達成条件は?」と質問して、
 悩み出すので、少し悩んでもらって、
 「今後2週間毎にふりかえりながら、決めていきましょう!」
 という事で、その場はチェックアウトです。

 まれに、目指すものが無い(現状で良い状態である)
 という事もありますが、
 その場合は上位方針を持ち出すなどして設定してもらいました。 

3)フューチャーマッピングを利用する
 とはいえ、なかなか決められないチームが多いです。
 その為、最初は、ほぼ全チームでフューチャーマッピングを利用しました。
 
 3ヶ月後までの曲線に、架空の物語を作成します。
 線と物語により、時間の流れが意識出来るようになり、
 大よその状態を決める事が可能となります。
 
 フューチャーマッピングは、1時間くらいで作成出来ますので、
 1時間で大よその状態を決める事が可能となります。
 1時間楽しんで決まるので好評でした。
 1時間ただただ悩んで決まらない事を考えると、特に最初は効果的です。

2018年5月7日月曜日

A3の後半5項目

リーンの影響から
ソフトウェア開発でのA3(QCストーリー)を推進してきましたが、
作成するコツが少しだけ見えてきました。

前回は、前半4項目でしたが、今回は後半の5項目についてです。

5)分析
 1回目は必ずTOCのクラウドでアサンプションまで書き入れる事で
 分析としました。
 2回目以降は、データなどが蓄積されてデータ分析可能であれば
 グラフなどを活用した分析としました。
 データが無い場合は引き続きクラウドとしました。
 クラウドとする事で、問題意識が合い易くなった気がします。

6)対策案
 最初の3つのポイントの通り「やった事を記載します」ので
 ここには実際にやった事を記載します。
 実施していく中で、案として上がったけものは
 実際にやっていなくても全て記載します。
 
7)選択案と実施計画
 実際に実施した案と実際に実施した時期を計画として記載します。
 計画の粒度としては、1ヶ月単位から1週間くらいの大きな単位です。

8)結果
 目標に対する結果を記載します。
 ここのフォーマットがとても重要となります。

 目標に対する結果を記載するように工夫しないと
 ここにやった事を記載するチームがほとんどでした。
 対策案以外でやった事を記載していました。
 How思考の典型パターンとでも言えるでしょうか。
 改めて、How思考の強さを認識しました。

 目標が曖昧な場合は、結果は「判定不能」として、
 その他の成果として、今までと変わった事を中心に記載してもらいました。
 何かが変わっている筈なので、3ヶ月間で今までと何が変わったのかを質問して
 それを記載してもらいました。

9)フォローアップ
 新たな課題や次の注力点を記載します。
 3ヶ月が終了した時点で、次のA3のインプットとして考えている事を
 明記してもらいました。
 多くは、最初の3ヶ月では、目標を明確化(数値化)できず、
 判定不能となりますので、
 ここには、目標の明確化が記載される事が多くなります。

 しかし、それがA3化する事で、きちんと「ふりかえる」事が可能となり、
 次のA3で目標の明確化(数値化)をするチームが多くなります
 この効果はとても大きいです。

全体的に、
状態としてとらえる事は必要と分かっていても難しい。
数値化については、そもそも不可能。
というアサンプションが多い印象です。
それを一緒に考えて完成させていく事になります。

必要以上に時間をかけても無駄なので、
お互いに納得出来ない場合は、指摘事項や考察事項を記入してFIXとしました。